プチZOO開園記事(朝日新聞)

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名古屋市東区の日本動物植物専門学院講師中川亜耶人さん(41)=各務原市緑苑西3丁目=が、可児市西帷子に、家畜と野生動物を集めたミニ動物園「プチZOO」を造った。「小さくてもいい。自分なりの動物園を。」という夢を実らせた。幼稚園などへ出かける移動展示も試み、動物を通して社会教育にも役立てたい、と意気込んでいる。
中川さんは、日大農学部を卒業。1975年、宮崎県のサファリパークで飼育員になった。動物の世話が始まった。「既設の大きな動物園では、教育目的を主とした運営はできない」。いろいろな動物の生態を知った中川さんは、博物館としての動物園に興味を持った。10年ほど前から学芸員の資格を取る勉強を始めた。
7年前、犬山市のリトルワールドに。学芸員の資格が取れたのは3年前。専門学校の講師になり、動物の生態学の教育を目指し「ミニ動物園」造りを決意した。
1月から約4か月かけて、動物たちの小屋を作った。専門学校の生徒が寝泊まりできるように、プレハブ2階建ての家も建てた。動物の移動展示をするため、トラックも改造した。
手に入れた動物は家畜のヒツジ、ヤギ、英国の農耕用の犬、カンガルーに似たワラビー、プレーリードッグ、グリーンイグアナ、毛皮に利用されているチンチラなど合わせて約20種類、130匹。建築費や購入費で約3,500万円かかった。
「プチZOO」は無料で見学できる。収入は、自分の講師料と移動展示動物園だけ。動物たちのえさは、近くの原っぱで刈ってきた草。今後は、移動展示のイベントを増やして収入を上げていく考えだ。
中川さんは「自分の好きなことだから赤字は覚悟している。それよりも、この動物園で動物と触れ合ってもらい、人と動物の共存について学んでもらいたい」と話している。
プチZOOの連絡先は0574-65-1231。 朝日新聞91.5.13
※現在は入園できません。