ムクの旅立ち
2022年4月22日未明に老女犬ムクは天国に旅立ちました。
2021年8月のブログでお伝えしたように2020年の8月に熱中症になり、自力で立てなくなりました。
眼振、歩様の蹌踉(そうろう:足元が定まらず、ふらふらとよろけるさま)、歩行困難、食欲不振などが見られ、
この日から皆での介護がスタートしました。
全身のマッサージと、めまいを抑える薬、血液循環をよくする薬を1日2回投与することで徐々に回復の傾向が見られ、
自力での歩行もできるようになりました。
その後、朝の涼しい時間に10分程度の散歩(体を支えながら)をするようになり、
歩様の蹌踉は見られるものの、自由に歩き回ったり、段差をピョンっと飛び越えたりもできるようになりました。
しかし、9か月後の2021年の5月に体調が急変しました。
犬小屋の中から動けなくなり、排泄もその場でしてしまっていました。
体に褥瘡ができないようにマッサージと体の反転などを1日6回以上行っていました。
その甲斐あって、2~3日後には徐々に自立が可能になり、手作りのハンモック型歩行器を使用しての散歩ができるようにまでなりました。
その後は寝ていることが多いもののエサもしっかりと食べ、大好きな散歩も尻尾上にあげてルンルンでした。
毎日元気に過ごしていたムクでしたが、8月のブログから4か月後の2022年1月初めに、
後ろ足に力が入らなくなり自力で立つことができなくなりました。
その日から1日4回(朝、昼、夕、夜)の社員全員での介護を再開しました。
全身のマッサージと日光浴、ハンモック型歩行器での散歩を行っていました。
しばらく経つと、寝ていることは多いですが、
短時間であれば自力で立てるようになりました。
回復してからは食欲はほとんど落ちることはなく、
餌の前になると立ち上がって私たちを見ているほどでした。
排泄は部屋の中ではせず、介護の際に外に出し、
それ以外に排泄したくなると吠えたりうなったりとちゃんと訴えてくれていました。
昼間外に出すと自力で散歩することもありました。
めまいを抑える薬と血液循環を良くする薬は症状があまり見られなくなってきたため、徐々に投薬量を減らしていきました。
↑寒くないように服を着せていました。
日向ぼっこ中のムク。気持ちよさそう!
しかし、4月に入り食欲も落ちてきて、だんだんと立っていられる時間が短くなってきました。
また、肢の関節や肉球、唇に褥瘡ができて治療をすることも増えてきました。
褥瘡は消毒をし、抗生剤の入った軟膏を塗布し、ガーゼを当てて治療をしていました。
褥瘡ができないように日中は約1時間に1回、体を反転させていました。
夜に仕事をしている時にムクのうなり声や吠える声が聞こえると、すぐにムクのもとへ行き、
安心して眠れるようにマッサージを行っていました。
最期はだんだんと肢に力が入らなくなり、餌の食べる量も減り、2022年4月22日の朝に残念にも亡くなりました。
社員10人で交代の介護を始めて615日(1年と250日)。毎日の介護の中で、夜遅くまでとなりしんどい時もありました。
しかし、「昨日よりも餌を食べた」であったり、「楽しく散歩していた」などを聞くと嬉しくなり頑張ろうと思うことがで続けることができました。
介護中は餌や水がいらなくなると器を鼻でのけたり、散歩中は思う存分歩くと道端に寝そべって歩かなくなったりと、
散歩が好きで、自分の意志をしっかり持った犬でした。
ムクがいない毎日は寂しい日々になりましたが、この経験を活かし、
これからも動物たちにいい環境を与える飼育に取り組んでいきます。
プチZOOにきて6832日(18年と257日)。ムクにとって良い犬生を過ごせたと思います。合掌。